こころの傷 二人が集めた市松人形。撮影:田沼洋一 市松人形を抱くモタエさんと良雄さん。撮影:田沼洋一 あの日、火をかいくぐって家に帰った。 家は焼け、四人の子どもはいなかった。 骨がさらっとくだけた。 妻は放心状態になってしまった。 三か月後、姪が娘からもらっていた 市松人形を娘の代わりにと、 返してくれた。 妻はそれを抱いて喜んだ。 それから毎年、一体ずつ市松人形を 集めてきた。 子どもたちへの供養だった。 — 蔵満良雄・モタエ
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